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生物学分野の論文プレプリントが急成長

Biology preprints take off

Jocelyn Kaiser

何十年もの間、生物学者たちは、物理学の同僚たちが査読付きジャーナルに論文が掲載される前に日常的に論文原稿をオンラインで共有しているのを傍らで見てきた。しかし、今年になって生物学におけるプレプリントの共有が急成長し、何千人もの生命科学者がレビュー前の論文をオンラインで公表するようになった。資金提供側も、このような形の科学コミュニケーションを支持している。

これは4年前に、ニューヨークにあるコールド・スプリング・ハーバー研究所が無料の生物学プレプリントサーバであるbioRxivを立ち上げたことに端を発している。計算生物学の論文がポツポツと掲載されていたbioRxivが今や、微生物学から細胞生物学、神経科学までの分野の実験研究を含むまでに成長した。著名な生命科学者たちが、プレプリントは科学の歩調を速め、若い研究者たちが研究業績を築く一助となるものであるとして各地で同僚たちを説得している。

今年の初め、米国と英国の組織がプレプリントの共有を推奨するポリシーを表明して、このような活動を大きく後押しした。4月には、新たな慈善団体であるChan Zuckerberg InitiativeがbioRxivへの非公開の投資を発表し、生物学分野で最もポピュラーなサーバとしての地位が固められた。ほとんどの論文誌は現在、著者が投稿した論文をプレプリントとして掲載することを認めており、一部には、掲載する論文をbioRxivで探している編集者もいる。

この動きには、まだ先に長い道のりがある。bioRxivや他のサーバに毎月掲載される1,500報ほどの生物学分野のプレプリントは、生物学の要約データベースであるPubMedに追加される新着論文、およそ100,000報のわずか1.5%を占めるに過ぎない(対照的に、素粒子物理学の論文は約70%が最初にプレプリントとして公開されている)。また、査読者の承認印を得ていない研究の共有を快く思っていない生命科学者も多い。それでも「これほど急速に物事が変化したのは凄いことだ」とカリフォルニア大学サンフランシスコ校の細胞生物学者でプレプリントを支持しているRonald Valeは言う。「コミュニケーション文化における大いなる変化だ」。