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#MeToo:科学界のセクハラ

#MeToo: sexual harassment in science

Elizabeth Culotta 

今年、セクハラ(性的嫌がらせ)と性差別に関して世間の注目を集める事例が相次いだことで、科学界に混乱が続いた。複数の女性科学者が蛮行を受けたという主張を公表したのだ。9月には、2人の女性研究主幹が、カリフォルニア州サンディエゴにあるソーク研究所に対して訴訟を起こし、「オールド・ボーイズ・クラブ(高齢男性だけの集まり)」が研究資金と研究の場から女性を遠ざけていると主張した。10月に公表された例では、1990年代後半に行われた南極での現地調査中に女性蔑視と深刻なセクハラを受けたとして、元大学院生がボストン大学の地質学者David Marchantを訴えた。大学側は調査の結果、告発内容の一部を認めたが、Marchantは抗議している。また12月には、9人の言語学者がニューヨーク州にあるロチェスター大学(U of R)を相手取って訴訟を起こした。学生を性的に食い物にしていると訴えられていた言語学者T. Florian Jaegerについて苦情を言ったところ、大学が報復してきたという。当初U of RはJaegerを無実としていたが、改めて調査を始めた。

ようやく科学機関はこの問題にかなり高い関心を示すようになった。米国科学アカデミーは、セクハラが女性のキャリアに及ぼす影響に関して、急遽研究を始めた(来年に発表予定)。また9月には、6万人の会員を擁する米国地球物理学連合が、セクハラを研究不正と同等の非行であると定め、訴えがあれば調査して違反者には制裁を科す仕組みを作り上げた。

「今は審判が下される段階です」と話すKate Clancyは、アーバナ市にあるイリノイ大学の人類学者であり、現地調査中に行われるセクハラを研究している。事例が次々に明らかになることで、「ふたつの気持ちが入り混じった妙な気持ち」になったと彼女は言う。「良い方向に進んでいるという満足感と、ずいぶん時間がかかったという悔しさです」