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クジラ目の厄年

A bad year for cetaceans

Elizabeth Pennisi 

カリフォルニア湾だけに生息する小型のイルカ、コガシラネズミイルカを救うという難しい試みを、今年打ち切らざるをえなくなった。10月、メキシコ政府と国際チームは海中に囲いを設置し、漁網の脅威にさらされていた30頭の生き残りのうち数頭を保護したが、捕獲したメスが死んだことで、500万ドルをかけたこの取り組みに終止符が打たれた。現在、コガシラネズミイルカを絶滅から救う手段は漁の禁止しかないが、これまでのところうまくいっていない。一方、タイセイヨウセミクジラの個体数と今年死んだ17頭について新たに分析した結果、この種の将来について大きな懸念が生じた。生殖可能なメスは100頭足らずしか残っておらず、漁網に絡まることによる被害は、研究者がこれまで認識していたよりもはるかに大きかった。北極圏に生息する海洋哺乳類イッカクに対する新たな危惧も報告されている。海氷が縮小しているせいで、かつては外界から隔てられていたイッカクが、シャチや船舶をはじめとする人的活動の影響を受けやすくなっているのだ。最後に、国際自然保護連合はアジアに生息するカワゴンドウとスナメリに関して、レッドリストのランクを「危急種」からそれぞれ「絶滅危惧種」と「近絶滅種」に変更した。