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270万年前の地球大気

Earth’s atmosphere 2.7 million years ago

Paul Voosen

世界の南端にある氷、そこは別世界への扉である。その氷は、太古の地球大気を小さな泡に閉じ込めている。2017年8月に、プリンストン大学とオロノにあるメイン大学の研究者率いるチームは、270万年前に凍った南極の氷を回収したと発表した。この南極の氷は、既存のどの氷のサンプルより170万年も古く、地球の気候の歴史にとって極めて重要な時代を大気がじかに記録しているのである。

アランヒルズは南極の荒涼とした場所で、厳しい風が雪や若い氷をはぎ取るため、太古の氷は高密度で光沢のあるものになる。2015年に掘削したアイスコアで最も古いものは、最初の氷河期がまさに進行中のときのものであり、時間間隔は10万年というよりむしろ4万年であり、まるで現代のもののようだ。

気候変動のきっかけになる手がかりを求めて、研究者らはコアに捉えられた空気を測定した。大気の記録を解明することは困難である。なぜなら、従来の南極氷床コアのような層状のケーキ構造とは異なり、このコアはよりごちゃ混ぜになった構造だからである。初期分析では、氷河期の始まりにおいては二酸化炭素レベル300ppm以下で、現在の400ppmよりはるかに低い値であった。より高いレベルを示す同時代の別の記録とは異なっているが、地球が氷河期サイクルに入るにはこのような低濃度の値が不可欠であると予想する気候モデルの正当性を立証した。

科学者らは、アランヒルズを再訪し、さらにたくさんのコアを掘削し、最終的に500万年前に遡る氷を採り出すことを希望している。500万年前は、現代の人類が引き起こした温室効果に似た条件を持つからである。