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マウスの卵をラボで作る

Mouse eggs made in the lab

Gretchen Vogel

2016年、日本の研究者らが「試験管ベビー」という言葉に新しい意味を与えた。彼らは、全行程を実験室のトレー上で成長させた卵細胞からマウスの仔を誕生させた。この長年の試みが達成されたことで、卵の発達について研究する新しい道が開かれ、遺伝子操作を施した細胞も含め、ほぼすべての種類の細胞からヒトの卵を実験室で作るという、さらに先の展望が開かれた。この可能性は、新しい不妊治療への希望をもたらしたが、同時にデザイナーベビーへの懸念を再燃させた。

2012年に、この同じ研究者らは最初の重要なステップを踏んだ。幹細胞から受精卵細胞を作ったのである。しかしその方法では、未成熟卵の発達を完了させるためには生きたマウスの胎内に戻す必要があった。今年になって、この研究者らは完全に実験室で卵を作る方法を発見した。マウスの胎内に戻す代わりに、研究者らは未成熟卵を胎仔マウスの卵巣から採取した細胞クラスターの中で培養した。次いで、実験室で成長させた卵をマウスの精子で受精させ、得られた胎仔を代理母マウスに移植した。健康な仔に生まれたのは3%だけであったが、これらのマウスは生殖能力のある、見たところ健康な成獣に育った。

もし科学者たちが、ヒト幹細胞で同様の偉業を成し遂げられたとしたら、一部の女性不妊に対する新たな選択肢を提供できることになるだろう。さらには、男性由来の幹細胞を卵細胞に変化させることさえできるかもしれない。こうした可能性の実現はまだ遠いものではあるが、卵の発達をトレーの上で研究できるようになったことで、実験室で成長した卵からヒトの赤ちゃんが誕生するまでには長い道のりであるとしても、その前に治療を変えるような洞察が得られる可能性がある。