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「心を読む」ことができるのはヒトだけではない

Humans aren’t the only great apes that can ‘read minds’

Virginia Morell

ヒトだけが完全に所有すると考えられていた心を読む技術が、今年、大型類人猿でも示された。心の理論として知られる、他者の要求、意図、知識を認識する能力のことである。われわれの近縁生物が、たとえば仲間のサルをだます、または他者の動機を認識するための十分な洞察力をもつことは、いくつかの試験によって示されていた。しかしこれまで、他者が誤った信念をもっているかどうかを判断する能力を必要とする課題では、つねに失敗していた。

古典的な誤信念実験では、ある人がチョコレートバーを箱の中に隠して、部屋を出ていくところを子どもに見せる。それから別の誰かが忍び込んで、そのお菓子を別の場所に隠す。最初の人物はどこを探すであろうか?「最初の箱の中」と推測する子が試験に合格する。心を読む技術に相当するものを通じて、子どもは最初の人物が誤った信念をもっていることを認識する。この技能は、だますこと、共感すること、教えること、そしておそらくは言葉を使うことにまで不可欠であると考えられる。

今年、チンパンジー、ボノボ、オランウータンを対象にして、この試験のひとつが実施された。キングコングがある男性から石を盗み、2つの箱の片方に隠す映像をサルに見せた。男性はこの行動を目撃するが、キングコングが威嚇すると逃げ出す。男性がいなくなったあいだに、キングコングは石を持って立ち去る。男性が戻ってきたとき、どこを探すであろうか?

研究者らは赤外線視標追跡技術を用いて、サルがどこに注意を向けるのかを調べた。石が隠されていると男性が誤って思い込んでいる箱を、ほぼすべてのサルが見ていた。まだ誰もが確信しているわけではないが、追跡調査研究が予定されているようである。対象は大型類人猿だけではない。視標追跡法は他の動物の顔にも適用できる。