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心理学における再現性

Reproducibility in psychology

今年は心理学にとって、変革の総仕上げの年となる。この分野は、数年前に起こった「事件」から抜け出せずにいた。しかし、「革命派」の研究者たちにより、心理学は科学的再現性の指標になろうとしている。

心理学では被験者数が少なく、統計学的な検出力の弱い研究も多く、2011年には、偽陽性結果も少なくないのではないかという懸念が噴出した。これを受けて、心理学者らは自ら心理学分野の粛正に乗り出した。重要な研究の再現を試みるとともに、出版される研究の信頼を回復するために新たな学術出版・査読モデルを生み出したのである。

2013年に最初に発表された再現率は、悪くない内容だった。13件の実験のうち10件で、オリジナル研究と同じ結果が得られた。しかし昨年、規模を拡大し、世界中の100名近い研究者が出版済みの心理学実験27件について再現実験を行ったところ、惨憺たる結果となった。追跡研究の約3分の1で再現性が確認できなかっただけでなく、原著論文の著者のなかには、再現実験の対象にされたことを不当な扱いと感じる者もいた。

この結果にひるむことなく、今年、心理学者らはさらに規模を拡大して再現実験をやり直した。8月にScience誌に掲載されたレポートによれば、心理学者270名が、3大学術誌に掲載された研究100件について組織的に再現実験を行った。残念なことに、再現性が確認された研究は39%のみであった。しかし今回、再現実験プロセスがきわめて円滑に行われたことから、心理学術誌の編集者らは、このような直接的再現実験の公開をルーティンにすべきだと発表した。

だが、他の科学分野に最も大きな影響を与えうる革新的側面は、再現実験の取組みのデザインにあるといえる。再現実験に参加した研究者らは、事前登録(preregistration)と呼ばれる手順に従い、実験を行う前に各研究の方法と理論的根拠を発表した。そのうえで、どのような結果であろうと、実験結果と統計解析を報告した。ポジティブな結果のみを報告し、ネガティブな結果を発表せずにおくといったことを防ぐためである。全員がこのプロトコルに従えば、偽陽性の結果は学術誌からほとんど消えてなくなることだろう。

Psychology

プライミング理論によれば、描かれている物の名前を答える速さは、添え字によって変化する。しかし、そのようなプライミング効果は、これまでのところ再現が難しい。