Skip navigation

オピオイドを醸造するように遺伝子操作された酵母

Yeast engineered to brew opioids

今年、米国の生物学者が、酵母を遺伝子操作し、糖をオピオイド鎮痛薬の原料に変換させた。かつてはアヘンケシだけのものであった、生合成という離れ業は、よりよい医薬品をもたらす可能性があり、また暗い一面をみれば、自家醸造のモルヒネやヘロインにつながる可能性がある。

この生物工学の偉業では、酵母を改変して追加的に21個の遺伝子を発現させた。これらの遺伝子はもともと、3種類のケシ、オウレンと呼ばれる植物、細菌、さらにはラットなどの様々な種に由来した。そうして得られた生物は、糖を、通常はケシから生じるテバイン(ヒドロコドンやオキシコドンなどの合成鎮痛薬の前駆体)に変える能力をもっていた。さらに2つの遺伝子を加えると、酵母はヒドロコドンを作ることも可能であった。

米国のチームや他の研究者らは、これまでに、この複雑な経路の前半または後半のいずれかを実行させるように、様々な酵母株を遺伝子操作してきた。そして今年、2つの半分を結ぶための単一の化学変換を施し、全ての遺伝子を1つの酵母株にまとめるという、最終段階に進んだ。

新たに遺伝子操作された酵母は、効率的とは言い難い。1回分の鎮痛薬を生成するために、おそらく数千リットルの培養を要する。(安心できる点として、自家醸造の設備では検出できるほどのオピオイドは生成されないことがわかった。)医薬品化学者は現在、酵母の出力の増加に取り組んでおり、より安全でより効果的な薬剤を作るために、生化学的組成の微調整を試みている。


遺伝子操作された細菌(黄色)がより安全な鎮痛薬の生成に役立つ可能性がある。

元の記事を見る(英語):http://www.sciencemag.org/content/350/6267/1458