Google
science内 検索 webサイト検索
JAPAN HOME > Breakthrough of the Year 2008 > Breakthrough of the Year : Areas to Watch -注目すべき分野-

Breakthrough of the Year : Areas to Watch -注目すべき分野-

注目すべき分野

植物ゲノミクス

米政府がトウモロコシのDNA解読を後押しすることになった。2009年にはトウモロコシゲノムの解読結果が発表されるであろう。同時に、大豆や粟といった穀物、バイオ燃料植物、生態学でよく研究されるミゾホオズキ、ヒカゲノカズラと呼ばれる原始植物などの植物に関しても、DNA塩基配列が多数発表される見込みである。リンゴ、オレンジ、ピーチ、メロンについても研究が進んでおり、コニファー、トマト、その他植物のゲノムプロジェクトも活発化している。また、遺伝的変異の解明に向け、モデル植物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis)について数百もの変種で塩基配列決定が進んでいる。

炭酸水のような海

大気中の二酸化炭素の増加による海洋の酸性化が急速に拡大している。pHの低下は、サンゴ礁から微少プランクトンまで海洋生物にとって悪いニュースである。しかし今のところ、この迫り来る脅威には地球温暖化にとっての北極熊のようなイメージキャラクターがいない。海洋の酸性化による有害な影響の拡大を裏付ける研究が増えることを期待しよう。とはいえ、科学研究の増加で人々の注意が喚起されるかどうかは疑問である。

法廷における神経科学

インドの法廷が2008年、殺人という経験的知識を示す神経活動を露呈したという脳電図を提示して、ある女性に婚約者殺害で有罪判決を下したときには、科学者と法学者は竦み上がった。以前に脳の解剖学的異常の画像が減刑のための証拠として導入されたが、脳の活動を測る脳電図の活用にははるかに多くの賛否両論がある。にもかかわらず現在、3つの企業が機能的磁気共鳴画像法(fMRI)に基づいたうそ発見サービスを提供している。準備が整っていようがいまいが、法廷での神経科学の活躍が予想される。

コペンハーゲンへの道程

2009年11月に12日間にわたって開催される国際気候サミットを最終期限として、各国は2012年に期限切れとなる京都議定書の続編を決定しなければならない。米国、中国およびインドは地球温暖化を緩和するに足る強制的な厳しい目標に同意できるか。その取り決めに開発途上国が欧米のエネルギー技術を導入し、温暖化に適応するための財政的支援は盛り込まれるか。バラク・オバマ次期米国大統領は、米国がそのサミットで主導的役割を果たすとともに、義務的な体制を推進することを約束している。しかし彼は、世界経済が動揺し、石油価格も下落する中、最大限の自由を提供しない取り決めは全面的に却下したいという石炭および自動車産業の盛んな州出身の意志の固い上院議員に対峙することになるであろう。第2位 「太陽系外惑星探し」 Seeing Exoplanets

CREDIT: JUPITERIMAGES

暗黒物質が見える

魅惑的な暗黒物質の粒子が宇宙で対消滅を起こし、高エネルギーの宇宙線を発生しているのだろうか。2008年、軌道周回する粒子検知器PAMELAと粒子収集装置ATICによる気球実験の両者で、そういった対消滅現象の兆候が報告された。2009年には、PAMELAの得た結果とATICの得た結果の整合性が確認される。また、2008年の6月に打ち上げられたNASAのフェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡(Fermi Gamma-ray Space Telescope)で暗黒物質の対消滅現象によって発生した光子を調査する予定もある。ただし、2009年12月まではその光子が明らかにされることは期待できないが。

種を決める

ダーウィン生誕200年と彼の著書『種の起源』の出版150周年を迎える2009年、種を2分する遺伝子を解明する新たな糸口が得られそうである。2008年、研究者らは線虫からマウスに至る多様な動物の繁殖の成功を妨げる遺伝的不適合性の原因を発見した。遺伝学、遺伝子配列決定技術、蛋白質研究が進歩した結果、今後数か月でより一層多くのそういった「種分化遺伝子」が発見されると思われる。

テバトロンの偉大な成功

スイスの研究者らは我先にと巨大な大型ハドロン衝突型加速器を稼働し、粒子を衝突させようとするだろう。しかし現実に劇的な進展が見られるのは、イリノイ州バタヴィアにあるフェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)の方であると予想される。2009年、テバトロン加速器がヒッグス粒子存在の兆候を突き止めるに足るデータを収集するに違いない(間接的な証拠が示すように低質量である場合の話だが)。「Eureka(見つけた)!」という叫び声を聞いても驚かないように。2009年でなければ、2009年に収集したデータの解析が終了する2010年に。

  • Science メールマガジン登録
  • Science 定期購読のご案内
  • Science デジタル版のご案内
  • 法人のお客様へ

  • Breakthrough of the Year
  • Breakthrough of the Year 日本語版

このページのトップへ