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Breakthrough of the Year : The Runners-Up -第2位から第10位まで-

第2位 「太陽系外惑星探し」 Seeing Exoplanets

百聞は一見にしかずというか、見るまでは信じるなだが、科学者にとって見たからといって信じることは、めったにない。装置から出てくるもやもやとした光線がどれほど微小で薄弱で奇妙なものであっても、その源を捉えたことは充分確認できる。しかし、恒星を回る惑星がいないかと探している天文学者は、太陽系のかなたに居住可能な惑星、もっと言えば住み着いたものがいる惑星を見出すという究極の目標への進み具合に、いらだってきたようだ。待ちきれない子供のように。そのため、的を絞る必要がある。しかし、太陽系外惑星のこれまでの発見の経緯は全て、千差万別であった。

今や、天文学者は、複数の太陽系外惑星を見ることに初めて成功した。おそらくそのうちの6つは、過去数ヶ月内に公表されている。ある程度まで、新しい観測技術が「くねくねした線」を「点」に単純に置き換えることを可能にした。しかし、はるか遠い宇宙から届くほのかな光の点々は、これまで多くの市井の人々の想像力を捉えてきており、さらに今後も、遠くの惑星の構成要素や形成の謎を解く新たな手掛かりを天文学者に与えるであろう。このような直接的な惑星検出の鍵となったのは、大きな望遠鏡に加え、主星の絶大な輝きに比較すると無視できる程ぼやけた惑星を捉えることが可能な最新の技術である。

これまでに300以上の太陽系外惑星が間接的に発見され、発見そのもののブレイクスルーをもたらした。13年間、天文学者は、惑星の重力で主星に起こるかすかな揺れを監視する望遠鏡を地上に設置して、太陽系外惑星を発見していた。この視線速度曲線技術の貢献は、とりわけ中心の恒星から非常に近距離にある巨大ガス惑星、いわゆるhot Jupiters(熱い木星)を探すのに有効である。しかし、そうした惑星群からの光は見えない。マイクロレンズと呼ばれる別の方法は、惑星の重力により通過光が曲がるため、背景の恒星の輝度が一瞬増すことを利用する技術であるが、特に、恒星から遠く離れた惑星を検出するのに優れている。そして原理的には、地球の質量以下の軽量な恒星を発見することができる。しかし、マイクロレンズ現象は1度限りの出来事であり、わずかに星の配置が変わってしまえば、惑星の信号を再発見することはむつかしい。

第2位 「太陽系外惑星探し」 Seeing Exoplanets

CREDIT: CHRISTIAN MAROIS/NRC HERZBERG INSTITUTE OF ASTROPHYSICS

しかし、もし惑星が、地球から見える恒星の前を偶然に横切れば、恒星と惑星を加えた全光量が周期的にわずかに減光するため、惑星の存在を明らかにできる。同時に、惑星の大気外を通過した光は、大気成分を知る手掛かりを与えてくれる。すでに水、メタン、つい先月には二酸化炭素まで、通過する太陽系外惑星で検出された。これらの成分および酸素分子は、居住可能な惑星を知る重要な指標となる。しかし、生命の存在しそうにないhot Jupitersのみ、中心の恒星を通過する傾向があり、現在の技術で検出され易い。

こうして、直接発見という成果が残る。惑星からの光を近距離の恒星の光から分ける作業は、きわめて単純である。問題になるのは、恒星がどの惑星よりも数百万倍も明るいことと、地球の擾乱大気が恒星と惑星の光を撹拌することである。後者の問題を解決するには、望遠鏡を大気圏外の地球の軌道上へ移動させればよい。もしくは、いわゆる補償光学を利用して望遠鏡画像を補正することもできる。これは、1秒あたり数回も望遠鏡のひずみを精密に調整して、ゆがんだ光をとりのぞく。惑星と恒星の輝度の大きな差に対処するには、恒星を物理的に遮断するコロナグラフか、画像から恒星の光を除去する「仮想コロナグラフ」ソフトを望遠鏡に装備する必要がある。そうすれば、恒星・惑星間のコントラストがずっと小さくなる赤外線の波長で、非常に若くてまだ熱々の惑星を探すことにも役立つ。

最新の技術を用いた5年以上におよぶ観測から、直接検出された太陽系外惑星の候補天体が突然次々に発表された。先月出版された中で、もっとも確実で本当に素晴らしい発見は、地球から128光年の距離にあるHR 8799と呼ばれる恒星を周回する3つの天体の存在である。木星の5〜10倍の質量を持ち、地球の太陽公転速度の24〜68倍も速く恒星の周りを公転していることがわかった。これは、これまで発見された中で最も巨大な地球外惑星で、恒星からの距離がこれまでで最も遠い。新しい検出技術は、一般的に、このような変わり星探しから始まる。こうした変わり星は、型破りの惑星がどのように形成されたかわかっていない理論家を驚かせている。

これ以外の直接検出は、恒星ごとに1つある。先月、他のグループが夜空で最も明るい恒星の1つであるフォーマルハウト(Fomalhaut)を公転し、木星の約3倍の質量をもつ天体の検出を報告した。3番目のグループは、去年の9月に太陽系外惑星候補天体を1つ報告したが、恒星付近を通過するのではなく公転していることの立証を待たなくてはならなかった。4番目のグループは、先月、恒星からの距離が地球・太陽間の約8倍にある惑星、すなわち、恒星に最も近い画像上の惑星を報告した。すでに光線解析が始まっており、物理的・化学的な性質の手掛かりになる新発見がいくつか行われた。そのため、惑星形成の理論家は多忙になろう。居住可能と考えられる惑星を直接研究する機会は、まだ遠い。地球のような軌道を持つ地球のような太陽系外惑星を画像化するのは、おそらく数十年先、そして確実に数十億ドルはかかるであろう。

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第3位 「がん遺伝子」 Cancer Genes

2008年、研究の焦点は、腫瘍細胞を制御不能な増殖に陥らせる変異DNAに当てられた。そうした研究から、ヒトのがんの遺伝学的な全体像が明らかにされ、診断と治療の新たな手段が提供されつつある。

腫瘍細胞とは、概して、重要な細胞シグナル経路を破壊する遺伝的要因を伴って、細胞分裂の抑制を取り去ってしまう細胞である。ヒトゲノム解読の完了と塩基配列解読のコストダウンの結果、現在、研究者達は、がん細胞においてこれまでの方法では見逃されていた多くの遺伝子変化を系統的に調べることが可能となった。2年前、これら複数のいわゆるがんゲノムプロジェクトから最初の結果が報告され、2008年には次々と結果が報告された。

そのリストのトップを占めるのは、最も致死率の高い膵臓がんとグリオブラストーマ(膠芽腫、悪性神経膠腫)の報告である。数百、数千もの遺伝子の配列決定により、既知および新規の多数の変異が調べられ、報告された。例えば、グリオーマ(神経膠腫)という脳腫瘍から採取した検体では、12%というかなりの頻度で、IDH1とよばれる新しいがん遺伝子が確認された。別のグリオーマの研究では、少数例において腫瘍が薬剤耐性へ変化する理由の一端が明らかにされた。さらに他の研究では、肺腺癌や急性骨髄性白血病で異常なDNAが検出された。

第3位 「がん遺伝子」 Cancer Genes

CREDIT: DAN MCCOY/GETTY IMAGES

がん遺伝子リストの拡大は、非常に興味深いものの粛然 とせざるを得ない「がん」の複雑性を明らかにした。このことから、生物学的経路を標的とする治療方法は、単一遺伝子を標的とした『特効薬』よりも効果的な方法であることが示唆される。少なくともあと10種類以上のがんのゲノムプロジェクトが現在進行中である。

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第4位 「新しい高温超伝導体」 New High-Temperature Superconductors

第二世代の高温超伝導体が発見された。高温超伝導体とは、絶対温度零度(0ケルビン[K])より高い温度で全く抵抗なく電気を流す事ができる素材をいうが、何故そのようなことが起こるのかは、まだ良く分かっていない。今回の発見で、凝縮系物理学における最大の謎がますます混沌としてきた。

今年の2月、日本の研究グループが、フッ素原子でドープされたランタン−鉄−砒素の酸化物(LaFeAsO(1−x)Fx)よりなる物質を初めて報告した。この物質は臨界温度26Kまで超伝導を示す。それから3ヶ月の間に、中国の4グループがランタンをプラセオジム(Pr)やサマリウム(Sm)で置換したものを調製し、超伝導を55Kまで進めた。その後、さらに別のグループが、異なった結晶構造を有する物質を用いて、臨界温度を56Kまで上昇させた。

第4位 「新しい高温超伝導体」 New High-Temperature Superconductors

CREDIT: ADAPTED FROM M. JOHANNES, PHYSICS 1, 28 (2008), ILLUSTRATION BY ALAN STONEBRAKER

これらの温度は、臨界温度としてはさほど高くはない。1986年に発見された銅−酸素、いわゆるCuprate(銅酸化物)高温超伝導体ファミリーでの最高記録は138Kである。とは言え、鉄系超伝導体がこのような超伝導を示したことは、わくわくする発見といえよう。その理由は、Cuprateがどのように働いて超伝導を起こすのか、という長年の謎を解く端緒になるかもしれないからである。重要なポイントは、これら2つのファミリーが同じように働くのかということであり、今のところ、いずれとも言えない状況である。

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第5位 「活動中のたんぱく質を観察する」 Watching Proteins at work

一世紀以上にわたるたんぱく質の研究の結果、生化学的活動中のたんぱく質分子を観察する限界が押し進められ、その一歩一歩で驚くべきことが発見された。

どのようにたんぱく質がその標的分子と結合するのかについては、長年議論されてきた。多くの科学者は、標的分子の形がたんぱく質を小刻みに動かし、相補的な輪郭を作り出すと思っている。しかし、液体中のたんぱく質はその標的を見つけるまでに、少しづつ異なる構造をとりながら微動しているとも考えられる。ドイツと米国のコンピューター生物学者は大量の実験データをコンピューターで処理し、この新しい考えに対して大胆で新しい裏付けを示した。すなわち、長い間研究の的であったたんぱく質が、多くの構造をとりながら、ダンスをしているように小刻みに揺れ動いている様子を呈示したのである。もう1つ驚いたことに、米国の研究チームが個々のたんぱく質を追跡した結果、単一の無秩序な分子現象によって、細菌細胞がある代謝状態から他の代謝状態へ切り替わることを発見した。

第5位 「活動中のたんぱく質を観察する」 Watching Proteins at work

CREDIT: LANGE ET AL.

ドイツのプロテオミクス研究チームは、全体を見通せるようにズームアウトしながら、酵母細胞の6000を超える膨大な数のたんぱく質を同時に監視し、異なる2種類の細胞において、個々のたんぱく質の発現がどのように異なるかを定量化した。その技術によって、発生や疾患への新たな洞察が得られた。そしてついに、スウェーデンのプロテオミクス研究チームは、体内のさまざまな組織が特有の性質を得ているのは、どのたんぱく質が発現するかではなく、どれだけの量のたんぱく質が作られるのか、つまり質ではなく量を調整したためであることを明らかにした。

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第6位 「水を燃やす(再生可能エネルギー)」 Water to Burn

風力発電や太陽光発電のような再生可能なエネルギー源は、引く手あまたである。豊富に存在し、炭素(化石燃料)を含まず、価格が下落している。しかし、一時的なエネルギー源にすぎない。太陽が照り、風が吹いていても、余剰電力を産業規模で貯蔵する方法はないのだ。今年、米国の研究チームは、その状況を変えはじめることができる新しい触媒を開発したと報告した。

その触媒は、コバルトとリンの混合物で、電流を流すと水を水素と酸素に分解する。次いで、水素は燃やされるか、燃料電池に供給されて、酸素と再結合し、電力を生産する。白金のような貴金属が水を分解することは、数十年前から知られていた。しかし、白金の希少さと高価さは、大規模な用途に実用的ではない。

一方、コバルトのような金属は、まだ用途が狭く、産業利用への貢献速度があまりに遅い。しかし、仕事のために安価で豊富な金属を手に入れるだけでも重要なステップである。現在、この過程がスピードアップされれば、繰り返しオン-オフできる再生可能エネルギーには、いつでも好きな場所で使用できる燃料としての将来性があるだろう。

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第7位 「胚の映像」 The Video Embryo

受精卵から生物へと分化発生する際の細胞の動きは、発生生物学の中心である。しかし、ほとんどの顕微鏡では発生過程の一部しか見ることができない。2008年、科学者達はゼブラフィッシュの胚を構成する約16,000個の細胞の動きを発生開始から24時間、先例がないほど詳細にわたって追跡する映像を記録・分析した。

ドイツの研究チームが自ら設計した新しい顕微鏡を用いて、これらの映像を作成した。顕微鏡にはレーザービームが用いられ、これによって生きている標本をスキャンし、リアルタイムで映像を捉えると共に、蛍光の退色や光による損傷を回避した。これまでは、光による損傷で数時間しか映像を撮ることができなかった。同チームは、計算処理能力が大きいコンピュータを用いて、記録した細胞の動きを分析し、可視化した。また、映像を巻き戻して、網膜など特異的組織を形成する細胞の起源をも追跡した。よく知られているゼブラフィッシュ変異体の動画映像から、胚の発生過程において何が異常を来たしているのかが、初めて精確に明らかになった。

第7位 「胚の映像」 The Video Embryo

CREDIT: KELLER ET AL.

このゼブラフィッシュの映像は、インターネット上で自由に見ることができる。映像開発者達は、このウェブサイトが胚の映像のメッカとなることを、すなわち、このウェブサイトに世界中の研究室から多くの胚の映像が投稿され、発生生物学のユーチューブ的なサイトに発展することを望んでいるという。

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第8位 「異なる色の脂肪」 Fat of Difference Color

本年、ついに、いわゆる褐色脂肪の謎めいたルーツが明らかになった。褐色脂肪は、ぜい肉にはほとんど無く、あともう少しで筋肉になるような、エネルギーを使う組織に存在している。

解剖学者は400年以上も前に、2種類の脂肪の違いに注目していた。白色脂肪はエネルギーを捕まえて蓄えるものであり、医者やダイエットする人々をてこずらせる。白色脂肪を布団とすれば、褐色脂肪は電気毛布である。豊富なミトコンドリアが脂肪分子を燃やして、熱を生み出し、体を温める。

第8位 「異なる色の脂肪」 Fat of Difference Color

CREDIT: PATRICK SEALE AND BRUCE M. SPIEGELMAN

長い間、この2種類の細胞は同じ種類の前駆細胞から分化すると考えられていた。その後、米国の科学者を中心とする研究チームが、褐色脂肪は筋肉に変えることができ、逆に筋肉を褐色脂肪に変えることもできることを発見した。彼らは、PRDM16遺伝子が褐色脂肪への分化に拍車をかけることを既に知っていた。そこで、褐色脂肪前駆細胞中のPRDM16遺伝子を減らすと、結果として白色脂肪が増えるのではないかと考えた。

ところが白色脂肪が増えるのではなく、細胞は管状の筋肉細胞へと伸長し、単収縮まですることができた。その形質変化を反映して、細胞は褐色脂肪の特徴を持つ一連の遺伝子の発現をオフに切り替え、典型的な筋肉の遺伝子の発現をオンに切り替えていた。また、既に筋肉への分化が始まっている細胞にPRDM16遺伝子を強制的に発現させると、逆の形質転換を引き起こし、褐色脂肪を作り出すようになった。細胞系譜追跡法(lineage tracing)という技術を用いて、マウスから、ある筋肉細胞ファミリーの子孫が同定された。そこには筋肉細胞と褐色脂肪細胞が含まれていたが、白色脂肪細胞は含まれていなかった。

これらの発見は、抗肥満治療への大きな一歩であろう。すなわち、体内に既に存在している脂肪燃焼役の褐色細胞を活性化させるか、あるいは新たに褐色細胞を移植することによって、悪い白色脂肪を消し去るような戦略である。

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第9位 「陽子の予測質量」 Proton’s Mass ‘Predicted’

陽子の内部構造に関する理論的記述に始まり、クオークやグルオンで成り立っている陽子や他の粒子の質量まで正確に計算されるようになった。そこで得られる数値自体は特に目新しくはなく、既に、ほぼ一世紀にわたって種々の実験によって測定されている。しかし、今回得られた新しい結果は、クオークを結びつける複雑極まりない‘強い力’を物理学者がようやく正確に計算できることを示している。

極めて単純な条件では、陽子は3つのクオークで構成され、それが、グルオンにより結びついて‘強い力’が伝達される。しかし、量子力学における不確実性のお陰で、おびただしい数のグルオンやクオークと反クオークのペアーが激しく陽子の中で消滅を繰り返すことから、陽子そのものはほとんど解析不能の状態になるが、その一方、粒子の質量の95%を生み出す存在でもある。

第9位 「陽子の予測質量」 Proton’s Mass ‘Predicted’

CREDIT: TAKU IZUBUCHI, STANIMIRE TOMOV AND MICHAEL MCGUIGAN

状況を単純化するために、フランス、ドイツおよびハンガリーの理論物理学者たちは、格子量子色力学として知られるアプローチを用いた。つまり、連続した空間および時間を4次元の点配列としてモデル化 ‐これが格子と称される所以‐し、クオークを各点に、グルオンを点と点の間に介在する結合鎖に閉じ込めた。さらにスーパーコンピュータを利用して、陽子と他の粒子の質量を誤差2%の精度で算出した。彼等は、その結果をこの11月に発表したが、10年前と比較して誤差は10分の1になっている。

2003年にも、他の研究グループが算出しがたい量の高精度な計算を同様に行っている。しかし、今回良く知られた陽子の質量計算を行なったことで、ついに、あの‘強い力’を理解する手掛かりが得られたことがはっきり示された。

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第10位 「配列解析の当たり年」

最初にヒトゲノムの解読に用いられた手法よりも、格段に安価で速い新規ゲノム配列解析技術が、配列解析ブームに火をつけている。

第10位 「配列解析の当たり年」

CREDIT: JUPITERIMAGES

2008年には、454 社の塩基配列決定技術のうち『合成による配列決定』技術によって、絶滅したホラアナグマやネアンデルタール人のミトコンドリアゲノム、さらにはマンモス全ゲノムの70%が解読された。454社技術では、蛍光標識したDNAを微小なビーズ上で『成長させる』方法がとられている。

ネアンデルタール人の全ゲノムについても、予備解析によるドラフト配列の解読が進んでいる。Solexa社(現在はIllumina社の一部)の開発した技術は、アジア人、アフリカ人、そしてがん患者のゲノムを初めて記載した科学論文で、デビューを果たした。この論文によって、太古における人類の移動や、悪性疾患の根底にある候補遺伝子に、新たな光が当てられた。Illumina社の技術では、ガラスプレート上でおこる超並列的な反応によってDNA配列が解読される。Pacific Bioscience社は単一DNA分子の配列を解析する会社であるが、同社の技術概念を立証する論文では、さらに高速化した配列解析を垣間見ることができ、興奮を禁じ得ない。現段階におけるこの技術の目標は、より高い精度を実現することである。

一方、配列解析にかかる費用は下がり続けている。ゲノムあたり5,000ドルが実現可能な会社まで数社出現した。

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